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クワズイモ、「親株が子株」で「子株が親株」?
親株のみ、今まで経験のない異常事態が発生
育ててるクワズイモですが、今はどの株も新しい葉を出し、スクスクと生長しています。
しかし、1鉢だけ、葉が黄色く変化したんで全部の葉だけ取り除き、【葉柄】の部分は残しておいたんですね。
- 「葉柄」とは、葉と茎を接続してる部分のことです。クワズイモで言えば、株から生えている長い茎のようなものが「葉柄」になります。
このクワズイモ、見た目は別におかしくはないけど、やっぱりどこかおかしい。
枯れてるわけでもなく、萎れてるわけでもない。
親株の葉柄はガチガチに硬くて元気で、株の中心も次の芽が芽吹くのを今か今かと待機しているの、見て、触ってわかる。
しかし、一向に新しい葉が出てこない。
隣に出てる子株の葉柄も元気なんだけど、こちらは新しい葉が出て順調に育っている。
これは何かおかしい…
どこか異常がある… どこかの異変だ…
何故、発見に至ったのか?
気候が暖かくなると、普通は葉柄の部分が日に日に膨らみ、少しずつ裂け目が入って、新しい葉が出てくるんです。
新しい葉が入ってるのはわかるんだけど、力不足なのか、大きくならないし、破って出てこようとしない。
おかしい…
株もしっかりしているのに…って親株の根元付近を持った途端、グラッとグラついた。
あれ? 揺れた?
株を揺すると、株本体がグラグラとグラついてるんだ。
この株を植え替えたのは、去年だったと思う。
冬を順調に越したし、何の問題もなかったはずなのに…
植え替えて半年以上たってるのに、どうしてこんなにゆらゆら揺れるんだろ?
- 「軟腐病」とは、クワズイモによく見られる病気。細菌が原因で茎や株が柔らかくなって腐った状態になり、株が再起不能になり、倒れてしまう。その部分は完全に分離して破棄しないと、他に伝染してしまう。
まず最初にこの病気を疑いました。
クワズイモを最初に育て始めた頃、この病気にかかってしまい、散々泣かされましたから。
しかし、株はしっかりしている… 軟腐病ではないようです。
子株の方を揺らしてみたが、子株はしっかり根付いている。
親株を揺らすと、親株だけ揺れるんです。
これは、もしかして…
親株と子株の立場が完全に逆転(クワズイモの現況報告)
すぐに掘り出してました。
長い根は行き場を失い、ビニールポットの鉢の中でぐるぐる巻いてたようです。
親株と子株は一応まだ繋がってますが、接続部分が細いというか、1点のみでお情け程度に繋がっている状況です。
接続部が切り離されていないのが不思議なぐらいで、やっとこさ繋がってる状態です。
根は予想外に多いです。 そして、意外と長いです。
長さは1m以上ありますね…
他にも、50cmの根も何本かあります。
しかし、この根のほとんどが子株から出てる根です。
親株から出てる根は、1~2本ありますが、ほとんど根の機能してないようです。
親株の栄養や水分は、全部子株の根から吸い取り、親株の方へ送ってあげてたんでしょう。
親株が子株に、子株が親株に…
これじゃあ、映画「君の名は」のクワズイモバージョンじゃあないですか…
「君の名は」は見てないから、男女が入れ替わったぐらいでどんなストーリーか知らないけど、oyageeの世代だと、大林監督の映画「転校生」じゃん。
鳥だって、魚だって、子が一人前になるまではそばで助けてあげるのが動物の世界の常識。
植物の世界だって、同じだと思います。
普通は、子株がある程度育つまでは親株は子株に栄養や水分を送り、生長を助けてあげなきゃいけないのに、このクワズイモは親が子から助けてもらってる…
これは、どうしようもない…
これは植え替えるしか方法はないでしょうね?
子株は育ってくれそうですが、親株は果たして元の姿を取り戻してくれるのか?
応急処置(クワズイモの植え替えと急きょ株分け)
- 鉢から株を出します。
(親株には根が1本ほどしかついていませんでした。親株の栄養や水分のほとんどは子株の根から吸い上げてたようです)
- 親株と子株を切り離します。
(この2つの株は、ほんのわずかな接続部分しかありません。点で繋がってるようでした。紙一重というのはこのことでしょうか、手で簡単に千切れるぐらい細かったです)
- 親株は水洗いして、応急処置として水挿しにしました。
(このまま土に植えても、根が全くない状態で、根が出てくるような兆候もないので、とりあえず、水の中に浸けて発根を促します)
- 子株は根が非常に多く、このまま植えても根が邪魔するだけですので、短くカットします。
- 子株は短い根は残していますので、このまま土に植えても根付くと思い、土植えにしました。
「親株の根がまったく機能していないクワズイモの応急処置」は、以上です。
植替え方法を写真付きで解説
.01
これが問題あるクワズイモです。
葉と株を繋ぐ葉柄は葉柄がカーブしてますが、見た目は問題ありません。
葉柄はカッチカチで元気なんですけどね。
.02
親株を揺らすと、グラグラと揺れます。
これはもしかして…?
.03
鉢から外してみましたら、根が回ってます。
これも完全に根詰まりですね…
株が元気だったのが不思議なぐらいです。
.04
根を伸ばしてみたら、長いのは1mほど伸びましたよ。
ダイオウイカの足みたいです…
.07
親株は新たに根を出させるために水挿しにしますので、根はすべて切ります。
.08
子株は、短い根だけ残して他は切ります。
あと、竹串で指してる部分(写真参照)はコブのように膨らんでますよね。新しく根が出る兆候ですので、直接土に植えても、すぐに根付いてくれると思います。
.09
あとは、子株は土に植え、親株は水に挿す作業のみです。
水に挿す親株だけは、水洗いしました。
.10
植替え作業終了。
どちらもうまく生長してほしいな…
.11
これがoyageeが育ててるクワズイモの中で、一番理想形に近い形に育ってます。
外へ出して管理してると更に元気になり、垂れ下がり気味だった葉もシャキーンと上へ向くようになりました。
クワズイモは、5月ぐらいからは外で管理し、たまに日光浴をさせてあげた方がいいみたいです。
長時間の直射日光は葉焼けしてしまいますが、毎日木漏れ日ぐらいの日光浴はさせてあげると、クワズイモがイキイキとしてるように見えます。
まとめ
観葉植物が生長しないといけない季節なのに生長できてないのは、どこか異常があるんです。
見た感じがとても元気で、全く問題なければ、見えない部分に異常があると思った方がいいかもしれません。
今回のように土の中に埋まってる根がなかったり、幹の内部がスカスカで幹の機能を果たしてなかったり、見えない葉の裏側に害虫が発生して、隠れて植物の栄養を吸い取ってたり…
今回は、親株に根は一応ありましたが、まったく根の機能をしてなかったですが、土の中で繋がってた子株の根が親株を元気にさせていたんだと思います。
以上、クワズイモの親株と子株の立場が逆転して、植え替えの応急処置をお届けしました。