朝6時半から外に置いてる多肉パトロールをしてました。
最近、多肉の苗が蒸れでやられるよりは、害虫にやられることの方が多いんです。
綿のような真っ白な害虫… 多分、カイガラムシかハダニだと思いますが、その害虫を先の尖った竹串で1匹ずつせっせと取り除いてたんです。
すると、「おはよー」と…
「多肉収集」から「アロエ収集」にシフトチェンジしつつある、ご近所のアロエオヤジのおやっさんです。
「何しよるん?」っていうんで、「多分カイガラムシだと思うんですよ、最近多くて… とってるんです」と答えました。
「え? 何?何? どうしたん? どんな虫?」などと別に興味を示すわけでもなく、自分の好き勝手に話をしてきます。
そして突然、「多肉、いらない?」って言うんです。
「え?」と聞き返すと、「多肉は育てられん… よう育てん… 無理… だから、これからはアロエを育てようかと」「だから、家にある多肉、いらん?」と…
アロエオヤジのおやっさんも、この夏、多肉を枯らしちゃうものが多いみたいで、お手上げみたいです。
多肉初心者にとって、多肉の夏越しはちょっとばかり難しいようです…
その為、ついにおやっさんは「多肉収集家」から完全に「アロエ収集家」に鞍替えするようですよ。
で、いらなくなった多肉をもらえる?
「来るもの拒まず」…です。
いただけるものなら、何でもいただきますよ!
アロエオヤジのおやっさんが、どういう多肉を持ってるのか興味あります。
持ってない品種をただでいただけるのなら…と、「もらえるんですか?」って返事したんです。
だって、oyageeの行かないよその町の花屋さんまで多肉やアロエを買いに行ったりする人なんですよ、このおやっさんは…
もしかして、持ってない品種をいただけるのなら、うれしいじゃあないですか…
「じゃ、持ってきてあげるよ」って、すっ飛んで帰りました。
だけど、ちょっと嫌な予感がしたんです…
まだ多肉の「た」の字も知らないアロエオヤジさんですよ。
品種名なんてさっぱり、どれが希少品種で、どれが普及種で、どれが人気があって、どれが人気がないのか、まださっぱりわかってないと思います。
もし、ブロンズ姫とか、虹の玉とか持ってきたらどうします?
反対に、もらってほしいんですけど…
ブロンズ姫やビアポップに関しては、こっちが「いらないですか?」って聞きたいほどですから…
なんか、すごーーーく嫌な予感がします…
ホントに嫌な予感がするんですけど…
5分後、アロエオヤジのおやっさんは、一抱えもあるほどの多肉を持ってきてくれました。
oyageeは持ってきた多肉を見た途端、めまいがしてきました…
わぁ! これ、全部持ってます…
銘月… 茜の塔… 星美人… 天使の雫… 福娘… デレッセーナ… みどり牡丹… ゴーラム… カランコエの不死鳥までも…
全部持ってる多肉ばかりです…
わぁっ! ブロンズ姫!
ここにもまた出た! ブロンズ姫が!!!
もう勘弁してください…
多少なりとも赤く染まってるならかわいげもあるんですが、oyageeが一番嫌いな色をしてるブロンズ姫です。
これは、お返しします…
ホントにいらないです。
誰か、ブロンズ姫だけでもいいから引き取ってください…
この前から、ブロンズ姫だけ異常なほど目の敵にしてます?
いいえ、そんなことはないですけど…?
「青鎖竜」という多肉は持ってないな…と思いましたが、これ、「ムスコーサ」の日本名です。
「青鎖竜」は「セイサリュウ」と読み、「クラッスラ」の仲間です。
すでに持ってる品種でした…
「わぁ、いっぱいなこと… ありがとうございます」とお礼は言いながらも、きっと心がこもってなかったと思います。
「持ってないのもあるやろ?」って言うんだけど、持ってますよ、全部!
だけど、「全部持ってますから、持って帰ってください」なんて言えないでしょ?
すでに持ってきてもらってるし、さらにタダでいただいてるのに、「やっぱ、いらないですから、持って帰ってください」なんて口が裂けても言えませんよ…。
oyagee、そこまで図太くないんです…
持ってきてくれた多肉のほとんどの鉢が、店で買った多肉みたいです。
ネームプレートがそのままですし、植え替えてもなければ、まったくいじってないようです。
ただ1つ、アロエオヤジのおやっさんの手書きのネームプレートがありました。
一番左の「不死鳥」…
この品種名が手書きの鉢は、アロエオヤジのおやっさんオリジナルらしいです。
これをやけに自慢するんです。
「これ、あそこの堤防で採ってきた不死鳥だぞ!」って、店では売ってない品種で、いかにも珍種、超レアな多肉みたいに言ってくるんです。
不死鳥を、希少品種の山野草か何かと間違えてません?
たかが堤防に生えてるカランコエですよ?
すごく人気のない不死鳥ですよ、不死鳥…
どこでにでもお構いなしに生えて、どんどん増えちゃう不死鳥なんですから…
oyageeも、他の河川を散歩してた時に何回も見ましたよ。
最初発見した時は「あ、多肉だ!」って喜んでましたが、あっちにもこっちにもうじゃうじゃ生えてるんで、採る気も失せましたけど…
不死鳥も本当にいらないです。
勘弁してください…
すると、アロエオヤジのおやっさん、「何か、交換しない?」なんて言い出したんです。
何? 何? 何? 交換? 物々交換ですか?
いらないものと言えば、ブロンズ姫に、虹の玉に、カランコエの不死鳥…
貴方が持ってきたものがいらないんですけど?
すると、「アロエか、何かない? 持ってないものが…」なんて、図々しいことを言ってきました。
ちょっとばかりふてぶてしくないですか?
持ってないものを催促するんなら、こっちだって「持ってない多肉をください!」…そう言いたいですよ。
まあ、「多肉いらない?」って言うから、「欲しいです」と即答しちゃった自分もいけないんですが、欲しくない品種を一方的に持ってきて、こっちが引き取った途端、今度は自分の欲しいものと「交換しない?」っていうのも、どうかと…
先にもらってしまったんだから、「交換はしたくありません!」とは、もう言えない状況ですよ。
これは、もしかして作戦だったのでしょうか?
最初は、「多肉、タダでいらない?」から始まり、「いります」と返事をしたら、すぐさま持ってきて、「これ、すでに持ってますから、いらないです」とはさすがに言えず、今度は珍しいアロエと交換させられる羽目になってしまうという作戦でしょ?
アロエオヤジの「多肉苗・半強制的物々交換」作戦にまんまとハマったんでしょうか?
そうです、このおやっさんは、アロエを集め始めたんで、すごく珍しいもの、希少なもの、レアもののアロエを探してるみたいなんです。
「いやいやいやいや… アロエも持ってますけど、ほとんどが一点ものでして… 株分けできたら、差し上げますよ…」と一応拒否はしたんですが、以前来た時に目をつけてたアロエがあって、そのアロエの鉢を持って、眺め始めたんです。
これです…
「ホワイトフォックス」という品種です。
それは困ります…
それは一点ものなんで、絶対に渡せません…
「大きくなって子株ができた時にでもお分けしますね…」と、ここはしっかり断りましたけど。
アロエはまだ一点ものが多くて、本当分けられるものがないんです。
すると、「鷹の爪、2つあったよね? 1個ちょうだい!」と…
ゲゲッ! 見つかってしまいました…
これまで何度も来てて、何気なくoyageeの多肉たちを眺めてただけかと思ってましたが、しっかりチェックされてたみたいです…
アロエオヤジの頭の中に、何を持ってて、何が2鉢以上あって、「これは、言えば、もらえる」という多肉やアロエがすでに頭の中にインプットされてるかもしれません。
鷹の爪は、2株の2鉢あるんですよ。
正確には、3株あるんです。
1つは、サボテンの寄せ植えに使ってますけど…
仕方ない、これは差し上げることにします。
他にもまだ物色してます。
アロエの鉢を見つけ、「これ、もらえるかな?」って言ってきました。
それは、だいぶ昔からあるアロエで、ほぼ放置してる状態です。
いつどこから来たアロエなのか、さっぱりわかりません。
子株がどんどんできるタイプで、これは無条件で差し上げます。
しかし、アロエオヤジさんは、「鷹の爪」とこの「アロエ」の2つだけでも、まだ納得してない模様です。
後は、何か探しておきます…と言って、ここはこれで終息させます。
あれが欲しい、これが欲しいなど言い出したら、キリがないですから…
このあと、アロエオヤジは帰っていきました。
もらった多肉の量と比べれば、「鷹の爪」と「アロエ」の2株じゃあ少ないでしょうけど、アロエオヤジが持ってないのを上げるのだから、この2株だけで十分だと思いません?
だって、こっちがもらったのが、ブロンズ姫に、ビアポップに、不死鳥ですよ?
この3品種、oyageeのいらない多肉三大品種です。
何度も言いますが、本当にいらないんですよ…
その3品種がすべて引き取ったんだから、鷹の爪とアロエで十分ですよね?
まだ欲しいというようであれば、あとは、ガステリア「子宝」… そして、アロエ「不夜城」。
これなら、いくらでも差しあげます。
どっちも、わんさか子株を作る品種で、今もどんどん子株が吹いてて、ちょっとだけ始末に困ってるんです。
ただし、「子宝」「不夜城」と、このままの名前で上げると、どこにでもある品種だとバレてしまいますので、「子宝」は「ガステリア属 ベイビー・トレジャー」、「不夜城」は「アロエ属 スリープレス・キャッスル」として渡しましょうか?
ネーミングがストレート過ぎて、バレバレですか?
催促じゃあないけど、こういう人、苦手です…
タダより高い物はない…
もっと言えば、「ただより怖いものはない」…でしたね。
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前回のブログで「アロエオヤジはいい人」なんて言いましたが、撤回です!!
アロエオヤジは、「フツウの人」でした……