昼前、麻酔科の先生が来た。
麻酔科の先生の説明は、手術前日じゃあなかったか?
20日が手術日だから、19日が説明じゃあないの?
19日って日曜だ…
先生たちって土日が休みだから、今日なんだね?
先生の説明では、
全身運動麻酔とは何ぞやから始まり、
手術にあたっての麻酔の流れ、
注意事項や危険性などを聞き、
最後に麻酔同意書に署名させられた。
で、もう1つ、承諾書に署名させられた。
この承諾書っていうのが、
「救急救命士による気管挿管実習の承諾書」なんだよ。
実習??? なんの実習? (・_・;)
実習って、慣れてない人とか未経験やまだ未熟な人が
経験を積んでくのを「実習」っていうんだよね?
まだ一人前じゃあない段階で、少しずつ経験を積んで、
一人前になっていく過程にある一つが、「実習」だよね?
じゃあ、まだプロフェッショナルではないんだよね?
一人前の専門家でもないんだよね?
俺がそういう人の実験台ってこと?
俺のこの体、新米救急救命士の実験台になれっていうの?
ぎゃやぁぁぁーーー! 怖すぎるぅーーー! (><)
なんで、よりによってこの俺なの?
こういう時に必ず、俺に順番が回ってくるんだよ…
くじ運、いつも悪いんだよ…
ハズレくじ、いつも引くんだよ…
高齢者だと体力がなくて、手術中に危険が及ぶ可能性があるから、
少しでも若い俺で試すってこと?
もっと他にいるでしょうに… 他の人をあたってよ!?
だけど、悩むことなく、
「いいですよー」って軽く答えてしまった。
NO!と言えない俺… 情けない…
実習の救急救命士さん、人工呼吸器の装着もやるんだって?
お願いだから、失敗しないでくれる?
実習と言いながらも、俺の手術は一応病気を治す手術ですので…
本気でやってくださいよ!
「すいませーん、あのぉ、人工呼吸器、装着失敗しました」とか、
「人工呼吸器、口から抜けませーん」じゃあ話にならないんですけど…
冗談じゃあ、済みませんからね
昼からは手術担当の看護師が来て、手術に流れの説明を受ける。
麻酔科の先生、手術担当の看護師、病棟の看護師……と、
いろんな人が入れ替わり立ち代わりに来られたら、
手術、いよいよなんだ…と実感。
手術室に入る前にスッポンポンになり、手術用の服を着るらしい…
……っていうか、布を体に掛けるだけ?
で、麻酔で気を失うんでしょ?
後はなすがまま、されるがまま状態?
手術台で何も身に着けてない俺の体を執刀医や看護師から
じろじろ見られて、観察ごっこ?
恥ずかしいなぁ… そんなことを言ってる場合か?
背中を切開するから、裏返すんだろうか?
何も身に着けてない体をみんなで持って、全員で? せーの!で?
麻酔で気を失ってるから恥ずかしくないだろうけど、
やっぱり恥ずかしい…(*”*)
そして、手術室であそこにカテーテルも入れるらしい…
手術後はあそこにチューブがずっと入ったままなんだね?
どうなんだろう? 痛いのかな?
これまた初体験……
カテーテルなんて未体験ゾーンで、痛いのか、感じないのか、
はたまた気持ちいいのか、全然想像がつかないよ…
誰が入れるの? 自分で? まさかね…
やっぱり看護師なのか? これまた恥ずかしい…(´・ω・`)
なんせ手術ってもんは初めてだから、何がどうなってどうなるのか、
どうなっていくのか、さっぱりわかんない…
手術患者は、言われたとおりに「ハイ、ハイ」と
頷いておけばいいだけなのか?
午後6時、夕食を始めようとしたら、前に一緒に仕事をしてた友達が
見舞いに来てくれた。
「暇だったから、嬉しいよー!ありがとう!」って思わず言っちゃったよ。
だけど、もうちょっと気を使ってくれてもいいんじゃあない?
一応、俺は体が悪くて入院してるんだし、
同室の患者さんもいることなんだから、
長居しても30分ぐらいじゃあない?
まさかこんなに居続けるとは思わなかった。
あまりにも帰る素振りを見せないし、同室のおじさんたちは寝る準備を始め、
寝息も聞こえてきたんで、病室で話すのは迷惑だって思い、
食堂に移動したんだから。
普通の人だったらここらへんで、
「長居し過ぎたかな…そろそろ…」って気づき、お暇するでしょ?
彼、また居続けた………
結局、帰ったのは午後8時15分。
ホント、疲れた…
ただ、彼から1ついいことを教えてもらった。
点滴や採血で針を腕に刺す時は、関節はやめた方がいいらしい。
関節が痛くなるんだって…
そういえば、左腕の肘関節がジンジン痛い。
先週の貯血後から痛むんだよ…
この痛み、一昨年の内視鏡検査の点滴をやった時からなんだよね…
あの時も、先週の貯血も、左手の肘関節付近に針を差してた。
で、どっちも気分が悪くなり、意識がもうろうとした。
手術の点滴は右手で、しかも関節を外した部分にやってもらうよ!
そうお願いしよう…