入院生活11日目 [歩行器歩行でリハビリ開始]【腰部脊柱管狭窄症の入院生活blog】

【天気】　 のち 
入院してもう11日にもなるの？

早いね～

暑さ寒さも彼岸までじゃあないけど、痛さ痒さも3日まで？！

いくらか痛みがひいてきてるような…？

 

だけど、まだ起き上がれる状態ではない。

ちょっとでも体を起こそうとすると、背中や腰に激痛が走るんだ。

 

手術をしてから3日目…

 

担当看護師から、「いつまでも寝ててはいけませんよ。
そろそろ立って歩く練習をしないと、脚の筋肉が衰えるんで、
立ち上がって歩く練習をしてくださいね」って急かされる。

そんなことを言われても、この体の状態を一番よく知ってるのは俺だよ？

まだ起きれる状態じゃあないんだから、今日も歩けないよ。

歩く練習なんて、先のまた先だよ。

手術してまだ3日しかたってないのに…

 

顔を見るたびに、「歩く練習をしてくださいね」
「起き上がって、立つ練習をしてくださいね」って口うるさいんで
仕方なく、体に鞭打って、立って歩く練習をすることにした。

 

まずは、上向きに寝てる状態から90度上半身を起こすことから練習する。

 

これがまずできない…

 

背中が痛くて両手を後ろに回せないし、
脇腹付近に両手を付けないから、上半身を起こそうにも起こせない。

 

この起き上がり方は絶対に無理なんで、違う方法を試すことにする。

今度は、両手でベッドの手すりを持ち、腕力だけを使って
ベッドの淵まで体を寄せ、そこから両足を床まで下ろし、
両足を下した反動で体を起こさせる方法をやってみた。

 

例えるなら、公園のシーソー？　　鹿威し？
起き上がりこぼし？

 

フラスコ型の胴体に赤や青の液体が入っている鳥（アヒル？）が、
前に置かれたコップの水を口につけて、
上下にゆらゆらと揺れながら永久的に飲み続けるあんなオモチャ…
「ドリンキングバード」みたいな原理？

 

要は、手を付いて腹筋や背筋だけで起き上がれるような
状態ではないんで、体全体を使って、
てこの原理で両足の重みで上半身を起こそうと思ってね。

 

物理は苦手なんだけど、これで何とか行くんじゃない？

この原理にトライしてみた。

 

イタタタタ！　イテェーーーッ！

 

マジ痛ッ！

 

体をベッドサイドに寄せるだけで痛い。

体をよじるだけで激痛が走る…

ちょっと体を動かしただけで、背中と腰が激しく痛む…

 

こんな最悪な状態でホントに立てるのか？　立っていいのか？

 

でも、先生や看護師が「早く立つ練習をしてくださいね」って言うんで、
いいんだろうね？

背中に入れてるボルトが外れても知らないよ？

 

 

何度も挑戦するが、ことごとく失敗……

激痛にも耐えられずに完全にヤル気が失せてしまう。

 

少し休憩し、再び何度かチャレンジ。

 

この方法でやっとベッドの淵に腰を掛けて座れる状態までになった。

しかし、ここから直立するのがまた一苦労する。

 

自分のベッドに腰掛けた姿勢で、目の前の壁に手を付き、
そっと立ち上がる練習。

 

立ち上がるのがまた痛い！

 

立ち上がろうとすると、背中と腰に激痛が走る。

 

涙が出るほど痛かった…　(T_T)

 

半べそ状態になりながらも、
「今日やらないと脚が日に日に弱っていくじゃん」
「筋肉が落ちて、本当に立てなくなるよ？」
「余計にリハビリに時間がかかって、退院が遅くなるよ？」
「早くよくなるために、少々の痛みも我慢しなきゃ！」
「これぐらいの痛み、へっちゃらじゃん！」
「明日も立ち上がれないって決めつけるよ！
ずるずるになって、一生立ち上がることができなくなるよ！」

そう言い聞かせながら、激痛に耐えながら、
なんとか壁を頼りにゆっくり立つことができた。

 

まるでスポ根ドラマか大映ドラマの主人公のようにね（笑）

 

ゆっくり立ち上がり、ゆっくり座る…

 

ゆっくりでも痛い……

 

立っては座り、立っては座り…を何度か繰り返す。

 

段々と立つことが苦にはならなくなってきたかも？

 

慣れてきたのかな？

痛いのは変わりないが…

 

立ったまま、壁に手を付き、今度は足を一歩踏み出してみる。

 

イタタタターーー！　痛くて、一歩出ないよ！

これ、無理かも？

 

ダメだ…　3歩が限界…

立ってることだけで苦痛…

これ以上は無理…

今すぐ横になりたい……

 

この後もスポ根ドラマのような葛藤が自分の中で始まり、
ベッドに寝ては起きて立ち、またベッドに寝ては起きて立ち、
またベッドに寝ては起きて立ち、今度は数歩歩き……を
何度も繰り返し練習した。

 

壁伝いで数歩であるが、やっと自力歩行できるようになってきた。

ちょっとだけ明るい兆し…　　未来が見えてきたかも?？

自力歩行ができだしたってことは、
トイレにも自力で行けるってことなので、立つ自主練を中止し、
体に繋がれてた尿道の管がとうとう外すことになった。

 

ヤッターーッ！＼(^o^)／

 

この管が一番気持ち悪かった。

 

痛くはないんだけど、どうもあそこの先に管が入ってるっていう
今まで体験したことのない異物感というか、
違和感というか、恐怖感というか…

 

抜いてくれる看護師から、
「管抜く時、ぬるぬる～として気持ち悪いですよ。」と言われたんだけど、
ぬるぬる～？

 

よぉわからん…

 

それに、なんで女性の看護師が、男性のアレの先に刺さってる管を
抜く時の感触の「ぬるぬる～」がわかるの？

 

それも、よぉわからん…

 

実際に管を抜かれたら……

わかる！わかる！　言ってた意味が!!　(^^;

 

気持ちいいっていうか、気持ち悪いっていうか、
痛がゆいっていうか、なんとも言えないあの感触…

 

思わず「あ～ぁ、あ～ぁ…」って声が出ちゃう…

 

実際には声を押し殺してたけど、ほんとヤバかった…

 

 

 

とりあえず自力で立って数歩でも歩けるようになったんで、
今度は歩行器を使って歩行練習をすることにした。

 

もちろんコルセットをしっかり巻いたままでだよ。

あらかじめ看護師さんから用意してもらってた歩行器に手を伸ばし、
恐る恐る立ち上がってみる。

 

立てたが、腰が超不安定だ。

 

腰に力が入らない…　体幹がおぼつかない…

バランス感覚も取れないほどカラダ全体に力が入らない…

現段階では、コルセットなしじゃあ無理だし、
絶対に自分一人の力では立ち上がれないほど、
よわっちい体になっている。

 

たとえコルセットをしてても、
歩行器などの掴まるものがそばになかったら、絶対に無理！

 

ちょっとでもバランスを崩した場合、
そのままバタッと倒れてしまいそうなぐらい体幹が不安定…

 

しかし、「やれない」「できない」「無理」…なんて言ってられない。

主治医の先生からは「痛くても歩きなさい」って指導されてるし、
理学療法士の先生からも別に「痛かったら中止してください」などの
注意されてないし…

 

前を向かなきゃ！

 

 

病室を出て、目の前の廊下を歩いてみることにする。

これが手術後の初めての長い歩行になる。

……　歩行器付きだけど。

 

少し歩いてみたが、腰が痛いし、傷口も痛い。

手術のメスでいろんな神経を傷つけてるからかもしれないから、
痛みがあるんだろうけど、何故か、股関節も激しく痛む。

 

歩行器にもたれ掛かりながらの歩行なんで倒れることはないが、
腰、背中、股関節、あちこち痛くて歩ける状態ではない。

直線の廊下を3往復しただけで、足が重くなり、疲れる。

とにかく、股関節が痛くて、踏ん張りが効かなくて、両足に力が入らない。

午前の歩行練習は、ここで一端中止した。

 

 

激しい痛みに耐えきれず、昼過ぎに座薬を投入。

 

すると、痛みがだいぶひいてくれた。

午後も、歩行器を使って廊下を歩いてみた。

今度は足取りも軽く、調子がいい。

 

座薬様々だね…

 

神様、仏様、座薬様だよ!!　

 

こんなこと言ったら、バチ被る？

だけど、ホント今は座薬に助けられてる。

ケツの穴に座薬をぶち込まれるの、なんの抵抗もなくなってきたし…

 

 

歩行練習中に理学療法士の担当先生と会った。

「足取り、いいですね。
　来週には杖で歩けるようになるまで、頑張りましょう」ですって！

 

俄然、ヤル気出た。

 

昔から「褒められたら、伸びる子」だったからね…

 

手術後の初めての歩行で、自分でもどこまで歩けるのかわからなくて不安だったが、
まあこんなもんかな…と、一応合格点。

 

焦ってリハビリやって、怪我して回復が遅れても困るし、長い目で…

だけど1日でも早く退院できるよう頑張ろう。

 

 

手術の傷みは、徐々にではあるがひいてる気がする…

しかし、あらたな問題が発生。

ずっと寝たきりで体が動かせないんで、
足に血栓が溜まり、エコノミークラス症候群にならないよう、
手術後、血栓防止専用の靴下を履いていた。

 

その靴下を動けない間はずっと履き続けてた。

手術直後から今日まで、朝昼晩、四六時中、24時間ずっと履き続けてた。

穿き続けて丸4日…

その靴下、ナイロン素材でできてて、微妙にチクチクするんだ。

 

それも、普通のナイロン素材ではなくて、特殊な生地で特殊な加工をしているみたいで、
どうも違和感がある。

 

一般のソックスではなくて、医療用ソックスらしい。

 

今朝、少々の痒みがあったし、今日から歩行練習をするということで、
血栓防止専用の靴下が必要なくなり、脱いだんだ。

 

はっきり言うと、履き心地が悪かったんで、すぐにも脱ぎたかった…

日中は症状が出てなかったが、
夕方になるとこの世のものとは思えないほどの激しい痒みが…

 

足を見ると、真っ赤になってる。(>_<)

 

しかも、靴下を履いてた跡のまんま赤くなってる。

俺の体って、かぶれやすい体質なんだよね。

絆創膏とかサロンパスを張ると必ずかぶれて赤くなって痒くなるし、
このナイロン素材のチクチク靴下も、俺の体には合わないのかもしれない。

 

この痒み、どうにかならないものか？

まだ点滴みたいなものが続いてる。

今日は、貧血にならないための液を血管に流し込んだ。

両腕は針の跡だらけだよ。

 

 

 

手術した日から毎日両親が世話をしに来てくれてる…

今日で4日間連続だよ。

 

遠い町から二人で車に乗ってやってきて、新しい着替えを持ってきてくれ、
まだ一人では着替えられない俺の着替えを手伝ってくれ、
ジュースが飲みたいって言えば、離れた売店まで買いに行ってくれ、
ロッカーやテーブルの整理や片付けまでしてくれ、
汚れた洗濯物を持って帰ってくれる…

 

各患者さんのゴミ箱は清掃業者のおばさんが
毎日片付けてまわるっていうのに、
俺のゴミ箱のゴミの分別をして、
ゴミを自宅まで持って帰ってしまう…

そして、遠い道のりを二人でまた帰ってく…

何か欲しいものがないかと、しつこく聞かれた時は、
それが時々ウザったく思ってしまい、
最後は怒鳴ってしまい、突き放してしまう…

 

悪い息子だよね…

 

17年前、父親が心臓の手術で3ヶ月入院した時はどうだったか？

 

母親に頼まれ、父親が入院している病院へ嫌々父親の着替えを
持っていった記憶しかない…

 

一昨年、母親が糖尿病の検査入院で1ヶ月入院した時なんて、
見舞いすら行ってない…

 

なんて親不孝な息子なんだよ…

 

退院したら、少しは親孝行してあげないと。

 

いざ、親孝行するような場面になったら、照れてできそうにないが、
気持ちだけは一応持ってるから。

 

寂しい闘病生活、思うように向上しない歩行訓練、
いつ社会生活に復帰できるのかの不安、術後の痛さと嘆き…

 

いろんなことが重なって、久々に枕を濡らしてしまった。

 

男だって、泣きたい時があるんだよー！(T_T)

 

ちょっとだけセンチになってたら……

 

おいおい、父親が茶色いウエストポーチを忘れてるじゃん！

 

免許証とか財布とかケータイとかが入ってるポーチじゃん！

 

なんと、点滴の吊り下げ器に吊り下げておくなんて
なんて横着で、なんて無礼なんだ？

 

あちこちところ構わず、持ち物を置く癖、俺と一緒……

 

財布は次に来た時でいいだろうけど、免許証は持ち歩かないとヤバイでしょ？

 

急いで母親のケータイに電話入れてあげました…　とさ。