必殺仕立て人[初回拡大版] ─ くたびれたアイビーを「どうにかしてくれ」と依頼され、復活への道を探る!の巻 ─【oyageeの植物観察日記】

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とんでもない依頼物が飛び込んできました…

今年、oyageeのうちは初盆ですので、盆期間中はたくさんの方がお参りに来ます。

テニス仲間の友人も、お参りに来てくださいました。

その人は女性で4つほど年下、名前は「ヨネ子ちゃん(仮名)」ということにしておきましょう。

腰の手術をしてからテニスはご無沙汰してるんで、ヨネ子ちゃんとは久しぶりに会って話したんです。

帰り際、外でお互いの近況などを話したんですが、いつの間にか観葉植物の話題になったんですよ。

それで、ヨネ子ちゃん家が育ててる観葉植物くたっとなってるって言うんです。

観葉植物の名前などは詳しくないみたいで、植物名がまったくわかりません。

外に置いてるoyageeの観葉植物を一緒に見ながら、「つるが伸びる植物…こんなの」「葉っぱはこれに似てて…」「あ、あんなの!これっぽい!」「縦に大きい植物だけど、こういうのかもしれない…」「これにも似てる…」って実際の観葉植物を指差しながら、いろいろ説明してくれるんです。

そのたびに「ポトス?」「これだったら、シンゴニウムだけど?」「縦に大きいんだったら、サンセベリア?」って答えるんですが、聞けば聞くほどいろんな観葉植物の情報が混ざってて、どんな植物を育ててるのか、この時点ではまったく想像できませんでした。

ただ、くたーっとなってるの」「いつの間にか、くたーっとなってた」「水をあげたけど、まだくたーっとなったまま」

くたっ、くたっ、くたっ、の繰り返しなんですよ。

まるで、くたっくたっを信仰してる信者のように、くたっ、くたっばかりを連呼するんです。

くたっとなってる…?

そんなに、くたっ、くたっ、言われてもねぇ…

わかりやすいようでわかりづらい表現です…

それって、ただの水切れでくたっとなってるのか病気にかかってくたっとなってるのか日照不足でひ弱になってくたっとなっただけなのか、現物を見てないと何とも言えないんですよね。

話を聞くだけでは、どういう植物がどういう状態なのか、まったく想像もつきません。

すぐに復活するくたーっなのか、植え替えれば問題ないくたーなのか、緊急オペが必要なほど重傷で致命的なくたーっなのか、何を施しても復活は絶対に無理なほどの枯れかけ寸前のくたーっなのか、現時点では何とも言えません…

すると、一度自宅に戻って、その観葉植物を持ってきたんですよ。

でかい観葉植物でした。

背丈は、oyageeの胸あたりまでありましたね。

その観葉植物というのはアイビーでして、つるが伸びすぎてる状態でしたので、朝顔用の支柱を立てて絡ませてました。

全体を見渡してみましたが、確かにくたっとなってますねぇ…。

ヨネ子ちゃんが言ってた通りです…

茎に元気がなく、葉も萎れてます。

鉢土はすでに濡れており、水をやってるみたいですが、くたっとなってますね…

これは根腐れでは?

とりあえず応急処置として、その場で新しい土少し大きめの鉢に植え替えてあげたんですよ。

アイビーの鉢植えの植え替え
━ 枯れかけアイビーを復活させる為、応急処置としてとりあえず植え替えます ━ 

01. 友人がくたびれたアイビーの鉢を持ってきまして、「これ、どうにかして!」と言われましたが、すでにどうにかできる状態じゃあないんですよね、これ… とりあえず、植え替えます。
02. 鉢から出してみましたが、土がネチネチ粘っこくて悪いですね。 根腐れ?…してるようでもないんですが…
03. とりあえず植え替えて、水やりしました。同時に葉水も与えてます。葉水ぐらいで元気になるレベルではないですが…
04. 先端付近の葉で唯一元気そうなのがこれぐらいなんです。この茎を水挿ししたら、なんとか根が出てくれそうな雰囲気ですけどね。

植え替えたこの鉢を持って帰るのかと思ったら、「これ、預けとくから! どうにかして欲しいなぁ… できれば、もっとこじんまりとした株がいいかも? 次はもう少し低い、膝ぐらいの高さの株を育ててみたいな… できる?」って言うんですよ。

復活も無理そうな状態なのに、いろいろと無理難題を言いつけてこられました…

そして、ヨネ子ちゃんは車に乗り込み、「じゃねー!バイバーイ!」って元気に自宅へ戻っていかれました。

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一人になって、改めてこのアイビーの状態をじっくり観察したんです。

ほとんどの葉は、元気がなく裏返ってます。( 01.

何もしてないのに、すでにあちこち茎が折れ曲がってます。( 02.

その茎は、張りがなく、生気が感じられません。( 03.

葉柄の付け根が、くたっと折れ曲がって、曲がった癖がついたままです。( 04.

このアイビーがどういう品種なのかわかりませんが、葉が妙に色褪せてます

元々色が薄い品種なのか、元気がないから色が薄くて褪せた色になったのかは不明です。

これ、もしかして、一度完全に水切れさせて、枯らしたのではないでしょうか?

で、慌てて水やりして、復活しつつはあるんだけど、何か他の原因もあり、なかなか完全復活できないし、完全復活はもう無理っぽい感じ…と推理してみましたが…… どないでしょ?

oyageeも以前同じようなことを起こしたことがあり、この事例とよく似ています…

鉢土の表面をチェックしてみると、粒状の肥料がたくさん撒かれてます。

ヨネ子ちゃんに聞いたら、「元気がなかったから、お父さんが肥料をがんがんあげてた」って言うんです。

これ、もしかして、肥料のやりすぎで、根が肥料焼けしてるのでは?

株が元気がなく、弱ってる状態の時に肥料をやると、消化不良を起こして、余計に悪化するんですよ。

初心者が観葉植物を枯らす原因の一つで、弱ってる株を早く元気にしようと肥料をやる、それもたくさんやればいいもんだと思って、ドバドバと多めの量に鉢へ入れる

それって、悪影響です。 「傷口に塩を塗る」ようなもんです。

もしこれが原因だったら、観葉植物初心者がやってしまう初歩的&勘違いミスですね…

後、気になるのが、株が1本しか植わってないのに、妙に長いつると、葉数の多さ

これ、つるを一切剪定してなくて異様に長い状態のまま、支柱に絡ませてるんでは?

これだけ葉の枚数があれば、株や根にも相当大きな負担がかかってると思います…

これ、1本のつるが10m,20m,もしかして30mほどあって、支柱にグルグル巻きつけてるだけで、根が水分を吸い上げても、30m先の先端の葉や茎まで届いてないから、枯れかけてる状態になってるんではないでしょうか?

現時点で考えられるのは…

  1. 水切れで枯らした。やや復活したが、完全復活できてない。
  2. 小さい鉢だったので、根詰まり
  3. 水のやり過ぎて、根腐れ
  4. 何かの病気にかかっている。
  5. 肥料が規定量以上に多すぎて与えため、根が肥料焼けしている。
  6. 支柱に巻き付けてるから見た目ではわからないが、実は1本のつるが30メートルほど伸びてる状態である。つるの長さと葉の多さが株と根に負担がかかり、弱っている。
  7. 寿命

原因は、この7つぐらいしか考えられません。

なんとか復活してあげたいんですが、無理そうなんですよね、これ…

しかし、「預かるよ」って返事したからには、何とかしてあげたい!

そして、「復活の伝道師」の名に懸けても、どうにかして復活してあげたい!

これまで、エバーゲミエンシスやプテリスなど、復活が無理だと思ってた植物を何度も復活させてきた、「復活の伝道師」の異名を持つこのoyageeですから、このアイビーも何とか復活させてあげたいんです。

誰もそのようには呼んでません、ただの「自称」ですが…

大きなアイビーの株を元通りに復活!とはいかなくても、小さな鉢に仕立て直してあげようではありませんか!

 必殺立て人!  只今、参上!!! 

必殺技は、剪定ばさみコンビニコーヒーの透明カップに入った水

カップの水で溺れさせて、最後は、剪定ばさみで一突き?

何をおっしゃいますか、藤枝梅安じゃあないんですから、そんな恐ろしいことは致しません。

oyageeの必殺シリーズは、殺めたりは致しません。

復活させるんです!

根が出そうな茎を見つけて、ハサミで剪定して、水挿しして、蘇らせるんです。

そして、再度、新しい鉢に仕立てるんです!

それが、「必殺仕立て人」の使命であり、仕事なんです。

だけど、実際このアイビーを見るたびに、復活は無理だとつくづく感じてるんです。

「どうにかして」って言われても、どうにもならないと思うんですよね…

水をやって復活してないんだから、どうやっても無理なんですよ、これ。

これが自分のアイビーなら、株元付近からばっさりカットします。

そして、株元付近から新芽を出させるしかないと思うんです。

だけど、依頼された植物なんで、そうそう手を加えられない。

ばっさりなんてしたら、後々、「あの観葉植物、頂きもので大事に育ててたのにぃ」とか、「思い出の植物だったのにぃ」とか、「元通りの姿で返してくれると思ったんだけどな…あーあ!」とか言われないとも限りませんから。

なるべく、今の原型をとどめながらも、復活の道を探りたい

とりあえず、まだ生きてそうな茎の先の新芽部分をなるべくたくさんカットして、水挿しで根を出させ、新しく仕立て直すしか方法はなさそうです。

復活しそうな茎を見つけ、20本ほどハサミで切り、水挿しをしました。

アイビーの挿し木
━ 枯れかけアイビーの復活の道を探る為、まずは挿し木で水挿しを! ━ 

01. 比較的元気そうで、根が出そうな茎を選んで剪定していきます。
02. 1本の茎が長いままでしたら、水の中でもやはり根を出すのに負担がかかりますので、ハサミで短くします。
03. この茎は3分割ぐらいにした方がいいでしょう。
04. ハサミで2か所を切り、3本の茎を作りました。これを水挿ししていきます。水に入れる時、ここで上下を間違わないように注意しましょう。

05. 水挿しする前にちょっとした手間が必要です。水に浸かる部分の茎の葉は邪魔になります。この茎の部分は根が出ましたら、土に挿す部分ですので、要らない葉です。また葉が多いとそれだけ水を吸い上げるパワーが必要になり、根が出づらくなりますので、なるべく葉は切り落としてください。
06. 1本の茎に葉は1枚程度でいいですが、寂しいようでしたら、2枚目の葉は半分ぐらいにカットしても全く問題ありません。
07. 一応、根が出てくれそうな茎を水挿ししました。果たして、本当に根が出てくれるんでしょうか?
08. この上向きの葉だけは、なんとなく根が出てくれそうな予感がします。ただのoyageeの予感ですが…

今日の必殺仕立て人の仕事は、ここまでです。

この水挿しで根が出てくれればいいんですが…

水挿ししようと茎を剪定ばさみで切りましたら、茎の真ん中に空洞ができてます。( 01.

空洞ができてたら、復活はほぼ無理なんですよね。

全部の枝が空洞ではありませんでしたが、ほとんどがそうなっています。

茎に空洞があるのは、枯れてる、もしくは枯れかけてる兆候です。

茎の内部はしっかり詰まってないといけないのに、空洞があるのはこのアイビー生命の危機、致命的ですよ。

水挿しする時に、不要な下葉をハサミで切り取ったんですが、葉に水分がなく、潤いや張りが全くありません。( 02.

摘み取った直後だから、もう少し葉がパリパリ・ツヤツヤしてていいはずなのに、持って握った感じが、パサパサカサカサの水分が全くない状態です。

水やりしててこの状態ですから、すでに手遅れなんでは?って疑心暗鬼になっちゃいますよ…

今日は、アイビーの親株の鉢の簡単な植え替えと、水挿ししただけでしたが、今日の段階では何も変化はないですね。

植え替えた親株の葉もくたっ!水挿しした葉もくたっ!ってした状態のままです。

明日の朝、葉がシャキーンとしていたら、水を吸い上げ始めた証拠ですので、復活の道は開けます

逆に、くたっとなったままなら、復活の道は途絶えそうです…

このくたっとしたアイビーを蘇らせるとっておきのワザとか、何かいい方法はないでしょうかねぇ?

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