多肉植物も観葉植物もそうですが、植物のほとんどは同じ親から種子や株分けなどで育てた苗でも、すべてが同じように育ってくれるとは限りません。
同じ場所で同じように日光浴し、同じように水やりし、同じように育てても、人間が個性や同じように、個々の苗も違って育つのが当たり前なんです。
ここにジョイスドロープという品種があります。
この名前が正式な呼び名かはわかりません。
一部では、ジョイスドロップと言ったり、ジョイストロープと言ったり、ジョイスツロップと言ったり、ジョイスツーロ、ジョイスタロックと言ったり…
購入時に、「ジョイスドロープ」で買いましたので、今日はこの名前で呼ばせていただきます。
このジョイスドロープは、斑入り品種の錦。
「ジョイスドロープ錦」なのです。
緑、黄色、オレンジ、ピンクのグラデーションがきれいですよね。
元々ジョイスドロープは小型品種なうえに、この苗はさらにまだ成長途中の小苗なんですけど、この色についつい目を奪われてしまうんです。
「メッチャきれいやなぁ~」って…
ところで、「ジョイスドロープ」と言われて、すぐにどんな苗か想像できます?
oyageeは、まだ名札を見ないとまだわからないんです…
似たような品種が他にもあるんですよ。
まずこちら。
これは先ほどのジョイスドロープ錦の斑入りではない、ただのジョイスドロープ。
紅葉すると、赤みが強い「ブラッドオレンジ」のような色になります。
葉の表より裏側がより紅葉するのが特徴のようです。
こちらは、ミニベル錦。
普通のミニベルの斑入り品種「ミニベル錦」です。
ただのミニベルを探したんですが、見つからないので、ミニベル錦をご紹介します。
斑入りですからジョイスドロープとは色は全然違いますが、葉の形が似てて、区別がつきにくいんですよね…
そしてこちら。
「リトルビューティー」です。
ジョイスドロープほどではないですが、こちらも紅葉中。
葉の形は、ジョイスドロープに似てます。
こちらは、オレンジドリーム。
…と言いたいところですが、どれがオレンジドリーム?
左から2鉢目がそうなんですけど、1月の最強寒波にやられ、枯れてなくなりました。
この4ポット、去年の暮れぐらいにスーパーで多肉の大苗や群生苗が1鉢150円という格安で売られてたんですよ。
持ってなさそうな品種を買って帰ったんです。
スーパー内で売られたので、どの苗も弱々しく、色も緑色、さらに徒長気味でした。
丈夫かつ紅葉させるために、ちょっとばかりスパルタ気味に育てようと、買ったその日からずっと外に置いてました。
そしたら、オレンジドリームと思われる苗だけが寒さでやられてしまい、枯れてしまったんです。
今は影も形もなくなってますが、元気がいい時は群生状態だったんで、すでに何本かはカットして寄せ植えに使っています。
寄せ植えの方はまだ生き延びてますので、これがそうではないかと…
黒のBag型リメ缶の取っ手接続部分に植わってるのが、枯れたポットからカットした苗です。
赤黒いような茶色のような苗… これ、多分オレンジドリームだと…
上記4品種の「ジョイスドロープ」「ミニベル」「リトルビューティー」「オレンジドリーム」は名札がついてないと、正直区別がまだつきません。
4つとも大きくならない小型品種。
そして、葉の形はほとんど一緒なんです。
唯一見分けるとしたら、紅葉時の色…ぐらいでしょうか?
あとは葉の質感と言いますか、表面が若干違うような…
ミニベルは葉の表面がつるつるして光沢がありますし、オレンジドリームは小さな産毛がありザラザラ感があったり…と。
こんなに似てるのに、違うところがあるんです。
4品種とも属性が違います。
ジョイスドロープは「セダム」
セダム属とは意外…
ミニベルは「エケベリア」
あれでも一応エケベリア属なんですよね…
リトルビューティーは「グラプトセダム」
グラプトペタルムとセダムの交配種です。
オレンジドリームは「セデベリア」
こちらは、セダムとエケベリアの属間交配種らしいです。
ほら、4つとも全く違う属性なんですよ…
他に共通点は、4つとも小型品種。
リトルビューティーなんかは木立化して大きくなりますけど、苗単体は小さいまま。
そして、夏も冬も比較的弱いって言うのも共通。
小型品種でこういう葉の形状の苗って、暑さに弱かったり、寒さに弱かったりしません?
現に、オレンジドリーム寒さで姿がなくなってしまってますし、他の苗も夏に葉がポロポロ落ちたり、葉に傷みが入ったり、形が不格好だったりして、決して「美苗」とは呼べない状態でして…
育て方が下手なんだけかもしれませんが、夏も冬も気づいたら枯れてることが多いんです。
それでは、今日の主役の「ジョイスドロープ錦」に戻りましょう。
6センチポットに3つの苗が育ってますけど、3苗3様…
全然違いますよね?
これ、「ジョイスドロープ錦の、良い子、悪い子、斑(ふ)なしの子」なんです。
太陽の光が反射して見づらいので、日陰に移動します。
まず、良い子。
きれいな覆輪斑の苗です。
外葉は赤系に染まり、そして葉のふちは白色で、中心部分が淡い緑色…
めちゃきれいじゃあないです?
これでご飯3杯はいけます。
そして、悪い子。
こちらは、ほとんど斑が確認できません。
というか、これ、1枚だけが斑模様になってますが、他の葉は全部が斑の「全斑」
苗が真っ白でそれなりにきれいだから、「良い子」では?
全斑の苗は、あまりよくないんです。
だから、「悪い子」
うまく育てれば、それなりにきれいな苗ですけど、全斑の苗はうまく育ちません。
全斑は、光合成できる緑色の部分がありません。
だから、なかなかうまく育ってくれないんです…
そして、こちら。
斑がまったく確認できない斑落ちさん。
「斑なしの子」なんです。
ということは、ただの「ジョイスドロープ」ということになります。
同じポットに植わってる3苗が、どうしてこうも違うのか?
それは、斑が確認できる2つの苗は、元々はきれいな斑が入った「ジョイスドロープ錦」の脇芽の小苗。
枯れてる茎が、真ん中にまっすぐ1本立ってますよね?
あれが元々の親苗で、去年の夏ごろに胴切りしました。
胴切り後、普通は残った茎からだいたい脇芽が出てくるんですが、このジョイスドロープ錦は脇芽が出ずに枯れてしまったんです。
しかし、地中の茎はまだ生きてたんでしょう。
脇芽が吹いてきて、ここまで育ちました。
同じ茎から、どうして覆輪斑と全斑の全く違う芽が出てきたのかは、わかりません。
そして、斑なしのただのジョイスドロープになった小苗は、ジョイスドロープ錦の葉挿しからの苗だったんです。
増やそうと胴切りした時に、不要の葉が出てきます。
その時に、鉢の中に2~3枚置いておくんです。
また、乱れた苗は葉をもぎ取って、同じ鉢に置いておいたりします。
わざわざ葉挿しトレイを作るのが面倒くさい時とかは…
このジョイスドロープ錦も、斑入りの葉を置いておいたんですが、出てきた芽は斑なし…
斑入り葉の葉挿しが、斑入りではなくなること、結構な頻度で起こるんです。
そして、覆輪斑の葉挿しの苗は、必ず次も覆輪斑になるとは限りません。
oyageeの経験上、ほぼ覆輪斑にはなりません。
今、室内でジョイスドロープ錦の葉挿しをやってるんですが、葉挿し成功率は高いけど、次の苗も覆輪斑苗になる確率は非常に低い。
この葉挿しトレイでは、5枚の葉挿しをしてます。
しかし、4枚は全斑。
1枚は緑と白の斑入りですが、これは完璧な覆輪斑ではなさそうです。
こっちのトレイでは、3枚を葉挿ししてます。
親葉の3枚は、きれいな覆輪斑でした。
しかし、出てきた芽は、3枚とも真っ白の全斑の芽。
これから大きく育ってきたら、緑色の部分が出現するかもしれませんが、可能性は低いです。
他の覆輪斑の品種も、だいたいそうなんです。
女雛錦も、マッコス錦も、サブセシリス錦も、春萌錦(別名・シャンパンライム)も、覆輪斑の葉挿しをやっても、出てくるBabyは斑が消えてるか、もしくはおかしな斑の苗しか出てきません。
きれいな覆輪斑の苗を増やすなら、葉挿しよりは脇芽から出てきた芽を大事に育て、大きくなってから株分けする方法が確実だと思います。
このジョイスドロープの良い子も、もう少し大きくなってから、独り立ちさせる予定。
ポット内に苔が生えてるぐらいだから、2~3年は植え替えてないかと…
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他の2苗は?
他の2苗も、大事に育てますよ。