植物名 と 特徴
世界の熱帯・亜熱帯地方に自生するアジアンタムですが、野生種だけでも約200種類もある植物です。
日本にも数種類ほど自生してるので、必ずしも熱帯産とは言えません。
アジアンタムの名前ですが、「葉に霧を吹いても、水が弾いて濡れないことから、「湿らない」の意味するギリシャ語が由来」となっています。
一般的に流通してるのは、ラディアナムの品種で、「フリッツ・ルシー」や「モノコロル」、「ミクロピンヌルム」などあります。
他にも葉が大きくなる「マクロフィルム」や、オリヅルランのような姿になる「カウダツム」などの品種があります。どの品種もあまり聞き慣れないですし、舌を噛みそうな名前ばかりですね…
日本産では、「クジャクシダ」という品種があります。
弾力のある枝に小さい葉がたくさんついてるのがアジアンタムの特徴で、全体的にふわふわしたイメージがある植物です。
シダの仲間だけあって、株が大きく根もしっかり張ってたら、中心部分からぜんまいのようなくるっと芽先が巻いてる新芽がどんどん出てきます。
そう言えば、ぜんまいもアジアンタムも、同じシダ植物でしたね。
ただし、ぜんまいは「ゼンマイ科ゼンマイ属」で、アジアンタムとはちょっと違う部類ですが…。 ちなみに、アジアンタムはワラビ科です。
アジアンタムの芽は、山菜の「ワラビ」の芽の方に似てますね。実際、リアルで見る機会が少なくなりましたが…
アジアンタムは、1本の枝にたくさんの小さな葉がついているように思われがちですが、小さくて丸っこい葉は、実は葉が細かく分かれたもので、一枚一枚は小さい羽根に似ていることから「小羽片」と呼ばれています。これはシダ類の他の仲間も同じことです。
アジアンタムの一番の特徴は、高温多湿を好み、乾燥に弱い植物です。観葉植物の中でも、上位にランクするほど乾燥に弱いです。
湿度不足は大敵で、乾燥が長いこと続くと致命的です。最悪の場合、葉が全滅してしまう恐れがあります。
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- 英 名 : Maidenhair fern / adiantum
- 学 名 : Adiantum capillus-veneris L.
- 科 名 : ワラビ 科
- 属 名 : ホウライシダ 属
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
場所 | 明るい室内 | 半日陰 | 明るい室内 | |||||||||
水分 | 乾いたら | 毎日 | 乾いたら | |||||||||
施肥 | 液肥 (10日に1回程度) | |||||||||||
植替 | 株分け 種 |
置き場所
直射日光を嫌います。夏は木陰くらいの日陰で管理をしましょう。
比較的寒さに強い植物ですので3℃くらいまでなら越冬できますが、株を元気に保ちたい、冬場でも美しい葉姿を楽しみたいのでしたら、最低10℃前後の室内で管理した方がいいかもしれません。
アジアンタムは繊細な葉を持つ植物ですので、1年中室内で育てる方がよいと思います。
屋外で管理する場合は、軟らかい新芽はナメクジやカタツムリなどの害虫に狙われやすく、すぐに食べられてしまいますので気を付けてください。
風や乾燥に弱く、湿度に敏感な植物ですので、室内では冷暖房の風が当たらないところに置くのがベストです。
基本、植物は光がないと育ちませんので、日陰などに置いてても、自然と明るい方へ向かって枝や茎は伸びていきます。
特に、アジアンタムなどの枝の弱い植物は、新芽は明るい方へ伸びていきながら、茎は徐々に硬くなってきます。
曲がりながら生長し、一度でもへんな癖が付いた茎は、もう元には戻りません。
針金やワイヤー、棒などを使って誘引し、曲がった茎を矯正することも難しいです。アジアンタムに関しては、ほぼ無理ですね。
ですので、きれいで見応えのある姿に仕立てたいのであれば、数日おきに鉢の向きを変えてあげたり、置き場所のローテーションをするように心掛けてください。
水やり
葉が薄いために水分を保つ力がなく、一度でも水を切らすと葉がチリチリになってしまい枯れてしまうので要注意です。
また、水切れ寸前になると茎が垂れてしまい、すぐに水を与えても、その後は変形した茎のまま生長することが多く、見た目がきれいではありません。
冬場はエアコンの室内だと乾燥しすぎますので、霧吹きなどで適度に葉水を与えて湿度を保ちます。
増やし方
葉の裏の胞子でも発芽することがありますが、可能性が低く、増やし方には適していません。 株分けをオススメします。
土から掘り起こしたら、ハサミで軽く切れ目を入れ、手で軽く割いてください。ハサミで全カットするよりは手で割いた方が株に優しいです。
2~3つに分けたら、半分ぐらいの土と根を落とし、各株を鉢に植えます。
鉢植えの土は、赤玉土と腐葉土を混ぜた土をメインに、他にバーミキュライトかパーライト…などを少し混ぜた、軽くて排水の良いものが適しています。
どの植物でもそうですが、株分けするとどうしても根を傷めてしまいます。
傷ついた根は水を吸う力が弱くなり、植え替えた翌日は葉がしんなりと萎れてしまうことが多いです。
特に、アジアンタムなどの葉の繊細な植物は、これまで元気だった新芽がくたんと頭を垂れて萎れてしまい、そのまま枯れてしまうことも少なくありません。
葉に水分を届けようと根が水分を吸い上げようとしますが、植え替えたばかりだとどうしても吸う力が弱っています。
根の負担を軽減させるためにも、葉数を少なくするとか、アジアンタムのような植物は枝を切り縮めたり、間引いてあげるとかひと手間を加えてあげることで、早く元気な姿に回復してくれます。
しかし、アジアンタムは一度に何十本もの枝が伸びるわけではありませんので、すぐに元通りの姿になれるのは難しいです。
元の株のように葉がたくさん茂るようになるまで、最低でも半年はかかるかもしれません。
害虫と病気
葉が薄く柔らかい為、害虫に狙われやすいです。特にナメクジとカタツムリの恰好の餌食になってしまいます。
若くて軟らかい新芽ほど特に狙われやすいですので、見つけ次第、割り箸などを使って駆除してください。
管理人から一言
oyageeが20代前半だった頃、自分の中で第1次観葉植物ブームが起き、完全に「観葉植物」にハマってしまい、その時一番最初に買ったのがアジアンタムだったと思います。
アジアンタムに一目惚れしてしまいました。
oyageeが子供の頃、親から山へ山菜採りに連れていかれ、ワラビやゼンマイを収穫してた記憶があります。
芽がワラビの形に似てますので、アジアンタムのくるっと巻いた新芽を見て、妙にに愛着が沸いてしまったのが、アジアンタムの購入のきっかけだったのかもしれません。
見てて涼しげで、まっすぐ伸びた枝が上部でふわっと外側へ広がってるフォルムが好きですし、お気に入りの植物の一つです。逆光の中で見るアジアンタムはすごくきれいですよね。
あの繊細な葉とライムグリーンの美しさは何とも言えない表現を醸し出してくれます。
園芸店で見かけることが多く、きれいな形に成長してるアジアンタムを見ると、ついつい手が出てしまい買っちゃいます。
しかし、葉がきれいにまっすぐ伸びて元気のいいアジアンタムだったのが、数か月後には段々株が痩せてきて、新しい芽も出てこなくなり、上手に育たられずに最後はみすぼらしい姿にさせてしまいます。
アジアンタムの管理は、oyageeにとっては非常に難しい観葉植物の一つです。
夏場に屋外で管理すると、アジアンタムの鉢の回りに蛇行しててキラキラ光る一本線ができてることがあります。
何かが這った跡が… 葉にも這った跡がある… よく見ると、新芽の先がなくなってる、若い葉も食われてる… 新芽がカタツムリやナメクジの餌食になってました……。 (※写真参照)
夜に出てきて食われ、日中は株の根元の奥や、鉢の裏に隠れたり、底穴が大きければ奥まで入って潜んでいるんで、なかなか見つけづらく苦労します。難敵なんですよね…
夏は、まるで「見えない敵」と格闘してるようですよ。
しかも、何故か他の植物の新芽には行かず、アジアンタムの新芽だけ狙われてます。
アジアンタムの新しい芽や若い葉は軟らかくて食べやすいのか、害虫の恰好のターゲットになりやすいので、十分お気を付けください。
もし、水分不足で乾燥させてしまい、葉がチリチリになり枯れた場合は、切り戻しをしたら、新しい葉が出てきます。
ただし、切り戻しは、暖かくなる春から秋ぐらいまでです。冬場にはやらない方がよいです。
育てやすさ | ★★☆☆☆ |
お気に入り度 | ★★★★☆ |
オススメ度 | ★★★☆☆ |
※管理人の個人的感想です |
これまでのBlog(植替え、株分け、その他の報告)
「アジアンタムの植替え|どうも苦手意識のある植替え、ついに克服できるか?」 (17.06.03更新)
「アジアンタムの株分け|今回はマジです!本気です! 株分けの成功を祈って…」 (17.06.11更新)
管理人の失敗談から学ぶ「失敗しないコツ」
- よく乾燥させてしまい、葉が枯れる。
- 買っても、段々と株が小さくなり、新芽も小さくなり、いつの間にか芽が出なくなる。
- 株分けしても、新芽が出ないまま、終わってしまう。
- 夏場に屋外に置いてると、カタツムリやナメクジなどの害虫にやられることが多く、なかなか立派な株まで成長しない。
失敗しないコツは、「水切れになる前の水やり」 「光の量や向きなど、株全体に均等な日光浴」 「害虫対策」です。