植物名 と 特徴
植物名はアイビーと言いますが、ヘデラとも言います。
見た目は同じなのに、あっちの園芸店では「アイビー」の名前で売られ、こっちのガーデニングショップでは「ヘデラ」の名前で売られてる…ってことありますよね?
「どちらがホントなんだろう?」って思ってましたが、どちらも正解なんです。
実は、「アイビー」の学名が「ヘデラ」でして、 “ヘデラ”のスペルは「Hedera」って書き、ラテン語の「”haerere” (“しがみつく”)」やギリシア語の「 ”hedra” (座る、とか、よじ登る、とか、葉が密生する)」が語源となっているそうです。
どちらも、この観葉植物の特性を表現してる言葉ですよね。
一般的には「アイビー」と呼ばれてますが、正式名称は「ヘデラ」ということになります。
「青じそ」と「大葉」の区別と同じようなもんなんです。
「青じそも、大葉も、同じものだってご存じでした?」
青じそは、植物の正式名称でシソ科シソ属の「紫蘇(しそ)」なんです、植物名ですね。
で、最初は「青じそ」として一般に出回ってたんですが、青じその若い芽の部分も売られるようになって、区別するために、青じその若い芽を「青芽」、青じその大きい葉のことを「大葉」とそれぞれに商品名がつけられて販売されたんです。
だから、大葉は商品名なんです。
余談になりましたが… ここでは、通称の「アイビー」と呼ぶようにします。
このアイビーは、日本では「キヅタ」と呼ばれ、日本にも1種自生してるんですよ。
よく「蔦 (つた)」と呼ぶ人もいます。蔦もいろいろありまして、詳しいところまで調べてみたら、アイビーも蔦も違うものかもしれませんが、同じつる性の仲間です。
一般的に「蔦」と言いますと、野生化してるものが多く、森の中で大木にしがみついて共存してたり、南国のジャングルの生い茂る場所に生えてるイメージですが、観葉植物として出回って園芸店で売られているアイビーは、どれもかわいらしく愛くるしい姿をしてます。
葉の形に特徴があり、基本形はカエデの形なんですが、星のようにとがってたり、ハート風に丸みを帯びてたり、矢印マークっぽい形もあったり、さまざまです。
葉の模様も豊富で、斑入りのものから単一色、斑の模様も縁を囲むようについてたり、まだら模様があったり、真ん中だけ色がついてたりします。
トルコ石のような薄いターコイズグリーン色に縁が乳白色の斑が入っていて、一般的によく見かけるのが「ヘリックス・グレイシャー」、濃緑色の葉に中央が黄色くなってる「ヘリックス・ゴールドハート」などです。
他にも、葉が指差ししてるような「ニードルポイント」、ニワトリの足跡のような形の「ゴール・ドスターン」、緑の単一色で乳白色の葉脈が目立つ「ピッツバーグ」、マーブル模様の「ゴールドダスト」、葉が丸っこいフォルムの「シャムロック」、葉の縁が波打ってる「メラニー」、姿形がやや派生化してて蔦に似てる「オカメヅタ」など多種多様です。
アイビーはポトスやオリヅルランと同様に気根を伸ばします。それほど長くは伸びませんが、この気根のおかげでいろんなところにへばりつきながら生長していきます。
アイビーは、鉢植えはもちろんのこと、吊り鉢、ヘゴ支柱仕立て、コップ挿しなどの水栽培、ハイドロカルチャー、テラニウム、寄せ植えなどいろんな楽しみ方ができます。
つる性植物ですので、鉢植えよりも吊り鉢で楽しむ人が多いですよね。またワイヤーを使ってアイビーを巻き付け、ハート型や動物型、アーチ型に仕立てる造形もできます。
そして、寄せ植えには欠かせない植物がアイビーでして、まさに名脇役の存在です。
主役になかなかなれる植物ではないですけど、脇でいい味を出してくれます。
アイビーの役目は、ゴールドクレストと一緒に植わってる寄せ植えだと、メインのゴールドクレストの株元の土を隠す存在であったり、背の高い観葉植物と一緒に植える寄せ植えだと、根元にアイビーを植え込むことによって全体的にボリューム感を持たせてくれます。
パンジー・ペチュニア・マーガレットなどの花の寄せ植えでは、花の脇にアイビーが数本ちょこんと植わって横に張り出してるだけで、ワイド感が出て、より豪華な寄せ植えに見えますし、色鮮やかな花を余計に引き立ててくれてます。
アイビーは縁の下の力持ち! 観葉植物種内一の引き立て役です。
花壇、寄せ植え、ブーケ、花束、ガーデニング…… アイビーがいてくれないと困る存在ですよね。
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- 英 名 : ivy
- 学 名 : Hedera helix
- 科 名 : ウコギ 科
- 属 名 : ヘデラ 属
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
場所 | 明るい場所 日当たりのよい場所 |
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水分 | 乾き気味 |
普通 |
毎日 |
普通 |
乾き気味 |
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施肥 | 液肥 (2週間に1回) |
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植替 | 挿し芽 茎挿し |
置き場所
日差しに強い植物ですので、葉を日差しに慣らしてるアイビーでしたら、年中外に置いておいても大丈夫です。
室内で育てても、葉の色や成長にさほど影響がなく、また冬の温度管理もそれほど気にしなくてもよい植物です。
がっちりした株に育てたいのなら、日光が当たる場所に置いてあげてください。
ただし、いきなり日差しの下に出すのは葉焼けを起こしますので、徐々に日差しに慣らしてあげてください。
日光が当たらない室内でも十分に育ちます。しかし、日差しに当てない日が長く続きますと、見た目が弱々しい姿に育ってしまいます。
アイビーは、家のブロック塀に這わせてるお宅もありますし、玄関前のレンガ造りの花壇にも植わってるお宅もあります。
年中外へ置いておいても、完全に枯れることはありません。夏の暑さに耐え、冬の厳しさにも生き延びる生命力を持ってる植物です。
室内で楽しみたいのであれば、吊り鉢に植えて、高い位置に置いたり、天井から下げ、垂れているツルを楽しむことができます。日光に当てなくても、ポトスやトラデスカンチアなどのツユクサ科の植物ほどは徒長はしません。
小型化の植物ですので、ミニ観葉としてテーブルやデスクの上などに置いてもかわいいと思います。
水やり
水切れはさほど心配ありませんので、乾いたら水やりをする程度に考えていれば大丈夫です。
夏は水をよく吸いますし、土の乾きが早いですので、たっぷりと与えてください。
夏は毎日水やりしても問題はないです。冬はやや乾き気味の方が根腐れの心配がないですね。
増やし方
アイビーは気根を伸ばします。それほど長くは伸びませんが、気根があるということは根も出やすいので、挿し芽、水挿しなどで簡単に増やせます。
植え替えて根が定着してからなんですが、肥料を与えるとつるが早く生長し、あちこちつるを伸ばし、収拾がつかなくなります。
これはつる性の植物に言えることですが、肥料を控えることで伸び過ぎを抑え、こじんまりな姿を維持したまま育てることができます。
しかし、あまり水だけで育たせると逆に間延びしてしまうかもしれませんので、色つやのよい葉の維持の為にも、たまには肥料に表記されてる分量のさらに薄い液肥などを与えてあげましょう。
害虫と病気
カイガラムシやハダニが発生します。外へ出してますと、真っ先に新芽の先についてます。こまめにチェックして退治してください。
管理人から一言
アイビーはなんと言っても、ここの管理人oyageeが以前blogで「oyajiの植物観察日記」を書いてた頃のwebネームにもなっておりましたし、大変愛着があり、大切な植物です。
育てやすく、増やし方も簡単で、屋外でも管理しやすく、雪が降る所でなければ、越冬も外でできるほど育てやすくて丈夫な観葉植物です。
アイビーは全部合わせると10鉢以上あるんですが、置き場所の関係上、毎年、数鉢は室内へ取り込みません。外で過ごさせてます。
屋外のアイビーは、毎年年末ぐらいまではまだ緑の葉はついてるんですが、霜が降りる頃には多分凍傷焼けだと思いますけど赤紫色に紅葉し、それから葉が枯れて落ち、最後は株全体が完全に枯れて、葉がまったくない枝のみの姿になってしまいます。
完全に枯れて、「復活はないな…」と思ってました。
しかし、毎年、春になると芽が出てきます。
中には、土壌の根まで枯れてしまい、株の細胞まで水分のない状態が何日も続いてれば、さすがに完全に枯れてしまい、復活は無理そうですが、外に出していればたまに冷たい雨が降ったりしますし、冬でも気温の高い日に水やりをしていれば、春が来たらほぼ間違いなく新芽が吹くでしょう。
繁殖力、生命力が強い植物です。増やし方も簡単ですし、冬でも増やそうとやろうと思えば、増やすことができます。
伸びてきてるつるの先を切って水に差して暖かい部屋に置いとけば、だいたいは根が出ますね。
そのまま飾ることもできますので、ワインのハーフボトルや瓶ジュースの空き瓶、トールグラスなどに高さがあって口の狭いビン類に挿しておけば、室内のインテリアになります。
放っておくと、つるがどんどん伸びていきます。つる性の植物ですし、気根を出す植物ですので、何かに掴まろうとどんどんつるを伸ばしていき、ブロック塀や家の外壁やしがみつきながら、留まることを知らないぐらいに生長していきます。
ツタに覆われた家屋やビルもあったりしますからね。
壁がツルツル材質のプレハブ小屋にまでもつる性植物が這ってる場所もありました。
多少デコボコしてたら掴まるところもあるだろうに、オウトツのない面を、「おいおい、どこに根を這わせて生きるんだ?」って思うぐらい… 生命力がハンパなくすごいですね。
市場で販売されてるアイビーは葉も小さいし、野生のつたほどではないでしょうけど、それでも我が家のアイビーは吊り鉢に植えてて、1年で2mほど伸びたアイビーもありました。
アイビーの多少の徒長しすぎは、他の植物と違ってかわいらしさがあるんですよね。
ポトスやトラデスカンチアなどのツユクサ系は徒長するのが嫌いなんですが、アイビーなどのつる性の植物は、徒長の姿も様になっているというか… 葉っぱの重さに耐えきれずにただだらんと垂れてるというイメージではなくて、枝に弾力がありますのでなんだか頑張ってる感がありますし、垂れてる枝がたまに風でゆらゆら揺れてる姿が好きで、見てると愛着が沸きます。
トラデスカンチア、ポトスと同様、斑入りの品種なのに斑が入ってない葉が出てくる時があります。
斑がない葉の方が生育が良いので、あっという間に斑のないアイビーに変貌するかもしれません。
斑入りアイビーを楽しみたいのなら、斑の葉が出てきたら、早めにそのつるごと取り除いてください。
アイビーは、水切れしててもそれほど慌てなくてもいい、寒さ対策も他の植物に比べればそれほど気を使わなくてもいい…
他にも、光もそれほど気にしなくてもいい、小型で場所もとらない、吊り鉢やハイドロカルチャー、テラニウム、寄せ植えなど楽しみ方も豊富、害虫対策はちょっと気を付けてあげていれば、うまく育つ植物です。
oyageeが育ててる観葉植物はまだ20数種類しかないですが、持ってる植物の中でアイビーは、「管理のしやすさNo.1」ですね。
これから観葉植物を育ててみたいと思ってる方は、まずは手始めにアイビーから育てられてみてはいかがですか?
育てやすさ | ★★★★★ |
お気に入り度 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
※管理人の個人的感想です |
管理人の失敗談から学ぶ「失敗しないコツ」
- 水分を切らした状態が長く続き、下葉を枯らす。
- 生育が旺盛で根の張りも早く、たびたび根詰まりを起こす。
失敗しないコツは、「普通に管理していれば、ほぼ失敗はない。観葉植物初心者さん向け」です。