多肉の葉挿しを、できれば成功させたい、なるべく成功させい、絶対に成功させたい…
やはり、増やす目的で葉挿しをするだから、是が非でも成功させたい!
誰もが同じ思いですよね…
特に、希少種、レア種、さらにはお気に入り品種の葉挿しは、何が何でも絶対に成功させたいものです。
そうなると、やはり発根を促進させる薬剤に頼るしかない?
となると、発根の成功率を1%でも上げるためにも、やっぱり「ルートン」など市販の「発根促進剤」をつけるしかないのか…
そう考えてる人も多いのではないでしょうか?
「発根促進剤を付けた方が根が出やすいのか? 意外とそうでもないのか?」の実験を、今年5月にスタートさせました。
発根促進剤もいろいろあるみたいですが、この時は「ルートン」を使っています。
最近、何故か、このブログ記事のアクセス数が妙に上がってるんです。
「葉挿しに、発根促進剤を使った方がいいの? 使っても意味ないの?」
「発根促進剤って、葉挿しに効果あるんだろうか?」
「使って、どれぐらいの効果が見込めるの?」
「葉挿しを成功するためには、やっぱり発根促進剤頼み?」……
皆さん、考えてることは一緒なんでしょうか?
発根促進剤を付ける葉挿しと、付けない葉挿しを同時にスタートさせ、3週間後に中間報告的に結果をお知らせいたしました。
- 葉挿しに発根促進剤は「必須? or 不要?」の検証結果を発表! 予想外の展開? それとも、想定内だった? (17.05.31更新)
その後、ルノーディーンの葉挿しでも、「付ける葉」と「付けない葉」の2通りでやってみたんです。
- 我が家のディーン様が、発根促進剤で確変!? ルノーディーンにルートンさんは、少々刺激が強すぎました? (17.06.05更新)
こちらは、付ける、付けないに関係なく、すぐに失敗しましたけど…
さて、最終報告です。
どうなったのかを報告し、その後は容器に植わってる葉挿しを解体します。
この容器の葉挿したちが、どうも調子がよくありません。
イマイチ、元気がないように見えませんか?
芽が出て結構な日にちが過ぎてるんだから、もうちょっと勢いがあってもいいと思うんですけど、全部の葉挿しの芽に活気がないんです。
理由は、根がしっかり張ってないからだと思います。
そして、葉挿しをしてる容器が浅い上に狭く、また土と多肉の相性が悪く、合ってないんだと思います。
根と土がしっかりと噛み合ってなくて、うまく根付いてくれなくて、成長が芳しくないんです。
だからこの後、生長しそうな子だけをしっかりした土へと植え替えるんです。
その前に、今現在、葉挿しがどうなってるのか、最終確認してみようと思います。
こちらがサブセシリスの葉挿しです。
写真左のブルーのお弁当ピックが「発根促進剤を付けてる葉挿し」
右の列の赤いピックが、「発根促進剤を付けてない葉挿し」です。
サブセシリス以外の葉挿しも2列になっており、そのようになります。
こちらは、前回同様に発根促進剤を付けてる4枚、付けてない3枚、合計7枚すべて成功してます。
ただ、付けてない3枚の芽の方が、元気よく見えるのは気のせいでしょうか?
こちらは、アガボイデス。
アガボイデスは、前回全部の葉に動きがなかったんですが、葉挿しをしてから3か月も経てば、何かしら動きがあるってもんですね。
左の「付けてる方」は、6枚中の6枚で100%の成功確率。
右の「付けてない方」は、6枚中の4枚で、66%の確率で発芽根してますね。
サブセシリス、アガボイデスと同時に葉挿しをスタートさせたのが、このピーチパーフェクト。
ピーチパーフェクトは、ダメです。
1~2つあった発芽も、いつの間にか枯れてしまいました。
付けてる、付けてないに関わらず、ピーチパーフェクトは葉挿しには向いてないのかもしれません。
もしくは、ピーチパーフェクトの葉挿しの時期は今ではないのでは?
葉挿しの時期を間違えたのかもしれません…
葉が薄いので、暑くなる時期はすぐに干乾びてしまうので難しいようです。
こちらは、ライムアンドチリ。
付けてる方は、6枚中4枚。
付けてない方が、6枚中3枚の発芽で、こちらも発根促進剤を付けてる方がやや優勢です。
ブラックプリンスです。
ブラックプリンスは、前回すべての葉が発根、もしくは発芽してたんですが、今はこのありさま…
付けてない方の1苗だけ残し、あとは全部枯れてしまいました。
理由は、土にうまく根付いてなかった、そして、水やりを怠ったというのが最大原因でしょう…
葉挿しの新芽は、親葉が枯れれば、後は小さな小苗が自分で水を吸い上げないといけなくなります。
根がうまく張ってなければ水を吸い上げられませんし、葉がまだ小さく薄いので水を溜めておける貯水機能もまだ働けません。
水やりもあまりやってなかったので、水分補給ができてなくて、枯れたんだと思いますね。
多肉は水分はいらないから…なんてことはありません。
小さな葉挿しでも、水やりはしっかりと…
これからは、5月31日の中間報告以降に、発根促進剤を「付ける」「付けない」で挑戦した葉挿しになります。
ライムベルです。
こちらは、各1枚ずつしかやってないですが、付けてない方が成功してます。
付けてる方は、枯れてませんが、根もまだ出てないですね。
この先どうなるのか、見守るしかなさそうです。
ちなみに、上のぷくぷくまん丸の大きな葉は、バナナ美人です。
こちらも、左の葉挿しは「つけてる」、右の葉挿しは「つけてない」で挑戦。
どちらも動きがありません。
もう2か月ほど経つんですが、バナナ美人は動きが鈍いです…
右の方の葉が白い根のように見えるのは、あれは「根」ではありません。
葉をもぎ取った時に、茎の表皮がめくれ、葉の方についた名残なんです。
こちらは、オレンジ美人。
上のバナナ美人とほぼ同時期に葉挿しをしたんですが、こちらはすでに動いてますね。
付けてる方が発芽してます。
付けてない方は、根は出てますが、芽はまだ出てません。
根が細く、1本のみ。
その1本も、今のところ動きが止まってる感じがしますので、この先、成功するかは微妙なラインの「△」という判定です。
こちらは、玉稚児です。
付けてる方は、完全に枯れてます。
付けてない方は根が出てるんですよ。
正直、玉稚児は葉挿しができるとは知りませんでした。
葉を置いとけば、もしかして根が出てくれるかも?的な感覚で、何気に置いてただけなんです。
玉稚児って、クラッスラ属です。
クラッスラ属の葉挿しは、葉挿しが比較的成功しやすい品種と、しにくい品種があります。
玉稚児は、成功しにくい品種かと思ってましたが、そうではないのかもしれませんね。
この先、芽がしっかり出てくれるかは、わかりませんが…
この玉稚児の葉挿しは、これから見守っていきますね。
ちなみに、玉稚児の本来の姿はこんな感じです。
さて、「発根促進剤を使うか、使わなくてもいいのか?」の最終結論は…
率直に申し上げます…
「わかりません」
発根促進剤を付けてもつけなくても、それほど変わりません。
はっきり言って、「微妙です」…
しいて言うなら、「付けない葉挿しの1.1倍ぐらいの確率で、付けた方が発根しやすい」…って感じでしょうか。
発根促進剤を付けた場合は、付けない場合の0.1倍上乗せするぐらいと考えてた方がいいかもしれません。
だから、発根促進剤を全く付けない状態で葉挿しをして、10枚が成功したとするならば、もし付けてたなら、11枚は成功したんじゃあないか…ぐらいに考えてた方がいいかもしれませんね。
これは、あくまでもお遊び的な実験と、それに伴う個人的感想ですので、必ずしも当てはまりません。
一部では、葉挿しに発根促進剤の「ルートン」は効き目がないということを聞いたことがあります。
「ルートン」って、挿し木専用の発根促進剤なんですよね。
説明書きには、多肉の葉挿しのことには一切触れていません。
樹木と多肉では、根の仕組みや発根の仕方、その他もろもろが違いますし、もしかして効果ないのかも?なんて思ったりもしますし、所詮、樹木も多肉も「植物」に変わりないんだから、根が出る仕組みは一緒だろうし、効くんじゃあないの?とも思ったりもしますが、効くのか効かないのかの真偽はわかりません。
またある人の記事では、メネデールを水で薄めて塗ってるっていう人も見たことがあります。
こちらも、真偽のほどはわかりません。
機会があれば、試してみたいと思いますが…
結論は、プリプリのムチムチの元気がよくて、発根の準備が整ってる葉は発根促進剤を使わなくても発根するし、枯れてる、萎れてる、葉に芽の組織がない、何かの理由で発芽できない…など、葉挿し前の段階ですでに発根できない葉は、いくら発根促進剤を使っても発根しない。
発根促進剤・付ける | 発根促進剤・付けない | |
発根できる葉 | 〇 | 〇 |
発根できない葉 | × | × |
結局は、こういうことですよね?
これが、oyageeが出した最終結論です。
じゃ、発根しにくいんだけど、どうにかしたら発根するんじゃあないか…というグレーゾーンの葉は?
そういう葉に、発根促進剤を使ったら、発根率が劇的に上がる…ってことはないですか?
もしかして、もしかすると、発根率が上がるかもしれませんが、そういうグレーゾーンの葉を人間の目で見分かるのは不可能です。
葉に向かって、「あなた、発根できそう?」「よかったら、発根促進剤を付けてみるけど、付けたら発根できる?」とか聞くわけにもいきません…
植物と会話できる能力を習得するか、あとは、ドラえもんに植物と話せる道具を出してもらうしかないでしょう…
発根促進剤を使うのは、「自己判断」と「自己責任」
あとは、「その時の運」
そして、この葉には発根促進剤を使ったら、必ず発根するという「直感」!「インスピレーション!」
頼れるのは、「第六感」しかないのです。
だから、発根促進剤を使うか、使わないかは、あなた次第!
これはあくまでも個人的意見です。
葉挿しの発根、発芽の有無は、やはり葉の状態により影響されることが大きいですが、その他にも、時期、場所、環境などによっても左右されます。
統計や順位オタクなので、こういうことを検証したり調査するのが、実は好きなんです。
本当は、いろんな品種で、いろんな条件で、いろんなパターンで、発根促進剤を使った発芽率、発根率をもっととことん調べてみたいんですよ。
だけど、それほど暇ではありませんし、多肉博士にはなりたいけど、葉挿し博士にはなりたくないんです。
だから、葉挿しと発根促進剤の関係性調査は、これにて終了です。
長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。
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それでは皆さんも、葉挿しに一喜一憂、四苦八苦しながらも、葉挿しライフを思う存分楽しみましょう!